「断熱」と書かれたカーテンに替えたのに、窓ぎわの席だけ寒いままのことはありませんか?
生地が薄かったのだと考える人も多いはずです。けれども、替える前と替えたあとで、カーテンの寸法は同じままではないでしょうか。
カーテンが冷たさを止めているのは、生地そのものではありません。カーテンと窓のあいだに閉じこめた空気です。
ところが、その空気には裾と両わきと上の3か所に逃げ道があります。丈と幅で閉じられるのは裾と両わきだけで、上を閉じるには別の部材が要ります。
この記事はこんな方に向けて書いています
- 断熱と書かれたカーテンに替えたのに、窓ぎわの寒さが残っている
- 丈と幅を、どこからどこまで測るのか分からない
- 裾を床につけるのか、床から浮かせるのかで迷っている
- 遮光1級を選べば暖かくなると思っている
カーテンが止めているのは、窓とのあいだの空気です
空気は熱を伝えにくい素材です。壁の中の断熱材も、窓に貼る断熱シートも、動かない空気を細かく抱えこむ作りになっています。
カーテンも同じ仕組みです。窓とカーテンのあいだに細長い空気の層ができ、その層が動かずにいるあいだは、部屋の熱がガラスまで届きにくい状態です。
ところが、カーテンのまわりに口が開いていると、この空気の層は動きます。
カーテンの上が開いていると、部屋の暖かい空気がそこから中へ入ります。入った空気はガラスにふれて冷えると、同じ体積の暖かい空気より重くなるので、そのまま下へ降りていきます。
降りた先が裾です。裾も開いていれば、冷えた空気は足元へ出ていきます。出ていった量だけ、部屋の暖かい空気が上の口から入ってきます。
カーテンの内側では、上から入って下から出ていく流れが、夜のあいだ続きます。上と裾の両方が開いていると、この流れがいちばん強くなります。
片方だけが開いている場合も、開いた口の上のほうから空気が入り、下のほうから出ていく動きは残ります。
そのため厚い生地に替えても、この流れは止まりません。流れを止めるには、丈と幅の数字を合わせます。
口が開くのは、裾と両わきと上です
カーテンのまわりで口が開くのは、裾と両わきと上の3か所です。このうち、注文する数字で閉じられるのは裾と両わきです。
| 開く口 | 何で閉じるか | いつ決まるか |
|---|---|---|
| 裾(床の側) | 丈 | 丈を測るときに決まります |
| 両わき(レールの両端) | 幅のゆとり、リターン金具 | 幅を測るときに決まります |
| 上(レールの前と上) | フックの種類、レールの上部カバー、カーテンボックス | レールを取り付けた時点で決まっています |
3つの口は、どれも同じ1つの窓のまわりにあります。どれか1つでも開いていれば、カーテンの内側の空気は入れ替わります。
カーテンの表示を見比べる前に、この3か所が開いているかどうかを確かめてください。昼間にカーテンを閉めて、床にすわって窓を見上げると、開いている口は光の筋になって見えます。
丈は、窓枠ではなく固定ランナーの下から測ります
まず裾の口です。裾の口は、丈の長さで閉じます。
丈を測りはじめる場所を窓枠にすると、答えが数センチずれます。
測るのは、レールの両端にある動かないランナー(固定ランナー)の下からです。カーテンの上端の高さは、フックが引っかかる固定ランナーの位置で決まるからです。
掃き出し窓(床まであって、ベランダへ出られる窓)は、そのランナーの下から床までを測って、数字から1センチ引きます。腰高窓(腰の高さから上にある窓)は、同じ位置から窓の下枠までを測って、15〜20センチ足します。どちらもTOSO(カーテンレールのメーカー)の案内にある測り方です。
腰高窓で15〜20センチ足すのは、窓の下枠で切れた丈だと、ガラスで冷やされた冷気が枠の下から部屋へ流れ出るからです。
| 窓の型 | どこまで測るか | 測った数字にすること | 店に多い既製の丈 |
|---|---|---|---|
| 掃き出し窓 | 床 | 1センチ引く | 178センチ、200センチ |
| 腰高窓 | 窓の下枠 | 15〜20センチ足す | 135センチ |
掃き出し窓で179センチと出たなら、1センチ引いて178センチを注文します。店に並ぶ178センチの既製品が、そのまま使える長さです。腰高窓で115センチと出たなら、15〜20センチ足して130〜135センチになり、既製の135センチに収まります。
表にある丈から外れた数字が出た窓は、オーダーで注文することになります。
裾を床につけるかは、その窓に結露が出るかで決めます
冷たい空気を止めることだけを考えるなら、裾は床に触れる長さにします。1〜2センチ触れていれば、冷気が裾から足元へ流れ出る道がふさがります。見た目を整えるための床上1センチの丈は、冷気を止める目的には合いません。冷気を止めるなら、測った数字から1センチ引かずに、1〜2センチ足して注文します。
ただ、その窓に結露が出るなら、床に触れさせません。
ガラスに出た水がたまるのは、下へ流れた先のサッシの下ふちです。裾が床まで届いていると、生地がその水を吸います。吸ったまま朝を迎えると、裾だけが黒ずみます。
水滴の出る窓では、丈を床上1センチで止めてください。裾から下りてくる冷気は、窓枠の下に立てる断熱ボードで受けます。
どちらの丈を選んでも、朝はカーテンを開けてください。閉めきったままだと、カーテンと窓のあいだが冷えたままになって、ガラスの表面温度が下がります。
冷たい空気を止めたいのに、朝は開けるんですか
夜は閉じて空気をため、朝は開けてガラスを乾かします。時間帯でカーテンの役目が入れかわります。
幅は、窓枠ではなくレールの端から端です
次は両わきの口です。両わきの口は、幅の数字で閉じます。
幅も、窓枠を測ると足りません。カーテンは窓ではなくレールに吊るので、測るのはレールの両端のあいだです。
機能レール(ランナーが中を走る箱型のレール)なら、両端のエンドキャップに付いたリングからリングまでを測ります。
装飾レール(木や金属の棒に輪を通すもの)なら、両端のエンドランナーどうしのあいだです(TOSOの案内より)。
その数字に2〜5パーセントのゆとりを足したものが、仕上がりの幅になります。両開きなら、足したあとの数字を2で割ると1枚の幅が出ます。
ゆとりを足すのは、カーテンが平らな板ではないからです。閉めたときに布がひだで波打つので、まっすぐ測った長さのままでは端まで届きません。
レールの端から端が200センチなら、仕上がりの幅は204〜210センチになります。1枚あたりでは102〜105センチです。
店にいちばん多く並ぶ既製の幅は、100センチの2枚組です。そのまま足りるのは、レールの端から端が190センチくらいまでになります(190×1.05は199.5センチ)。
200センチのレールに幅100センチを2枚吊ると、閉めても両わきで数センチ届きません。この届かない数センチが、両わきの口です。
ひだの倍率を上げても、閉めたときの幅は伸びません
幅を決めるとき、もう1つ迷うのがひだの倍率です。
オーダーの注文書には「1.5倍ひだ」「2倍ひだ」という欄があります。この欄が表しているのは、レール幅に対して布をどれだけ使うかです(TOSOの案内より)。仕上がりの幅ではありません。
2倍ひだにすると、使う布は倍になります。それでも、閉めたときに窓をおおう幅は同じです。増えた布はひだの山になって、波が深くなります。
そのため、幅が足りないときに倍率を上げても、両わきの口は埋まりません。幅が足りないときは、頼む幅の数字を増やします。
両わきは、レールの端で壁の側へ折り返します
幅にゆとりを足しても、両わきの口は残ります。カーテンが平らに垂れているかぎり、カーテンの端と壁のあいだに縦の口が空くからです。
この縦の口をふさぐのがリターンです。カーテンの両端を壁のほうへ折り返して、レールの端に留めます。オーダーで頼むならリターン縫製、いま使っているカーテンなら、あとからリターン金具を足せます。
中央の合わせ目も、同じように口が開く場所です。左右のカーテンは中央で重なりますが、重なりが浅いと縦の筋が残ります。マグネットランナーは、レールの中央に付ける磁石入りのランナーです。2枚を引き寄せて、重ねたまま留められます。
昼間にカーテンを閉めた部屋で床にすわると、この縦の筋も光の線になって見えます。
上の口は、フックの種類とレールの付き方で決まります
裾と両わきは、注文する数字で閉じられます。上だけは数字では決まりません。
カーテンレールが窓の上の壁に付いていると、レールと天井のあいだに空間が残ります。窓を開け閉めする金具を避けて取り付けるので、レールは窓枠より高い位置に来ます。カーテンの上端はランナーの下から始まるため、レールの本体そのものもおおえません。
この空間を狭められるのが、フックの種類です。カーテンのフックにはAフックとBフックがあり、Aフックはレールが見える掛け方、Bフックはレールが隠れる掛け方になります。Bフックは生地の上端がレールより上に来るので、レールの前から入る口が狭くなります。
ただし、生地の上端と壁のあいだは開いたままです。そこまで閉じるなら、レールごとおおう部材を足します。
- カーテンボックス。レールを箱でおおう作りで、天井か壁に取り付けます
- レールの上部カバー。いま付いているレールにかぶせて、上の口だけをふさぐ細長い部材です
上の口って、指が入るくらいですよね
幅は窓と同じだけあります。細くても、横に2メートル続いた口です。
生地を見るのは、丈と幅を決めたあとです
丈と幅で口をふさいでから、生地を選んでください。順番を逆にすると、カーテンの表示だけを見比べて、口が開いたまま買うことになります。
| 表示の言葉 | 何を表しているか | 冬に見る行か |
|---|---|---|
| 遮光1級・2級・3級 | 通す光の量 | 見なくてかまいません |
| 断熱、保温 | 通す熱の量 | ここを見ます |
| 裏地付き、2枚仕立て | 布を2枚重ねた作り | ここを見ます |
| ウォッシャブル | 洗えるかどうか | 冬とは別の話です |
遮光1級は、光を99.99パーセント以上通さない生地に付く表示です。2級は99.80パーセント以上、3級は99.40パーセント以上と決まっています。日本インテリアファブリックス協会が定めた等級で、数値はTOSOの解説によります。
測っているのは光の量なので、等級の数字からは熱の通りやすさを読めません。1級の生地は織りが密なものが多く、結果として熱も通しにくい品はあります。ただ、熱の通しにくさは、等級の基準には入っていません。
熱の側で見るのは、保温と断熱の表示がある行です。裏にもう1枚重ねた作り(裏地付き・2枚仕立て)なら、2枚のあいだにも空気の層ができます。
やりがちな間違い
前に使っていたカーテンと同じ寸法で買い替える
いま吊っているカーテンの寸法を、そのまま注文の数字に写すやり方です。寸法が外れる原因で、いちばん多いのがこれです。
前のカーテンが合っていたかどうかは、誰も測っていません。丈が窓の下枠で切れていたのかもしれませんし、幅がレールの端まで届いていなかったのかもしれません。その数字をそのまま使えば、前のカーテンにあった口も残ります。
遮光の等級を、断熱の目印にする
等級が1級なら暖かいはずだと考えてしまう間違いです。等級が表しているのは光の量です。
丈を長く取りすぎて、床にためる
床に10センチ以上たまる丈にすると、開け閉めのたびに裾を踏みます。水滴の出る窓では、たまった布が水を吸ったまま乾きません。触れさせるのは1〜2センチまでにします。
この条件ならこれ
値段も在庫も動くので、買う前にご確認ください。
寸法が既製に合って、窓ぎわの冷たさを止めたいお宅
「断熱」「保温」と表示された、裏地付きの既製カーテンを選びます。断熱の2枚合わせドレープカーテン(既製・2枚組)のあたりから探せます。丈と幅を先に測って、その数字に合うサイズにしてください。
レールが壁に付いていて、上が開いているお宅
レールの上をおおうカバーを使います。候補はカーテンレールカバー レイベル 200cm(ダブルレール用)です。レールの長さに足りるか、取り付けの向きが合うかを先に見ます。
両わきと中央に縦の筋が残っているお宅
リターン金具を使います。TOSO 機能性カーテンレール用リターン金具(後付け)を、レールの両端に付けます。中央の合わせ目が浮くなら、磁石の入ったランナーも足してください。
いま使っているカーテンを残したいお宅
カーテンの内側にもう1枚吊るす、断熱ライナーを使います。候補は後付けの裏地ライナー(1級遮光・断熱・保温)です。同じフックに共吊りするので、丈はいまのカーテンと同じか、少し短いものにします。
逆に、避けたいもの
遮光の等級だけを見て選んだ品は、避けてください。光は止まりますが、熱の通りやすさは等級から読めません。
よくある質問
Q. 断熱カーテンに替えると、暖房費は下がりますか?
この記事では金額を出せません。カーテンで減らせるのは、窓のそばで冷やされた冷気が部屋へ出てくる量です。ガラスから外へ逃げる熱そのものは、カーテンでは止まりません。ガラスから逃げる熱には、窓に貼る断熱シートで対策します。すき間テープで止まるのは、サッシのすき間から入る冷たい空気です。
Q. レースと厚地の2枚を吊れば、すき間はふさげますか?
2枚を吊ると、空気の層は2つになります。ただし裾と両わきと上の口が開いていれば、層を2つにしても入れ替わりは止まりません。先に口をふさいでください。
Q. 既製のカーテンで、丈が3センチ足りません。伸ばせますか?
アジャスターフックなら、1目盛り0.5センチきざみで動かせます。動く幅は上下に1〜4センチほどで、Aフックは下へ約3センチ、Bフックは上へ約3センチまで取れます。足りない3センチは、フックの位置の調整で収まる範囲です。
Q. 突っ張り棒のカーテンレールでも、同じ測り方でよいですか?
測る場所は同じで、ランナーの下からです。ただ、突っ張り棒はカーテンの重さでたわみます。裏地付きの厚いカーテンを吊ると中央が下がるので、丈は吊ってから決めます。
Q. カーテンボックスは、賃貸でも付けられますか?
天井や壁にねじで留める型は、跡が残ります。レールにはさんで留める上部カバーなら、ねじを使いません。取り付けの向きが決まっているので、いま付いているレールの型に合うかを、商品ページで確かめてください。
まとめ
- カーテンが冷たさを止めているのは、生地ではなく、窓とのあいだに閉じこめた空気です
- 口が開くのは裾と両わきと上で、寸法で閉じられるのは裾と両わきです
- 丈はレールの端のランナーの下から測り、掃き出し窓は床まで測って1センチ引きます(冷気を止めるなら、引かずに1〜2センチ足す。水滴の出る窓は1センチ引く)
- 腰高窓は、窓の下枠まで測って15〜20センチ足します
- 裾を床に触れさせるかどうかは、その窓に結露が出るかで決めます
- 幅はレールの端から端を測り、2〜5パーセント足します。幅100センチ2枚で足りるのは、レールが190センチくらいまでです
- ひだの倍率は、使う布の量を表す数字です。閉めたときの幅は伸びません
- 上の口はレールの付き方とフックの種類で決まるので、カーテンを替えても閉じません
- 生地の表示を見るのは、丈と幅を決めたあとです
窓の水滴、足元の冷え、暖房費は冬の困りごとと、使うものにまとめています。
暖房の家電が品切れになる前に決める話は秋の困りごとと、使うものへ。
この記事で挙げたものを、もう一度並べます。
商品は楽天で探して、★4.3以上のものを、レビューの多い順に並べています。 ★の数も価格も、売り切れかどうかも日ごとに書き替わります。押した先の商品ページで、いまの表示を確かめてください。
この話で使える便利グッズを、まとめて見る
- 冬の困りごと:暖房費が上がる
加湿器を強くすると窓が濡れ、窓の水滴を減らそうとすると今度は部屋が乾く。冬は、この2つが同じ時期に起きます。 - 秋の困りごとと、使うもの
天気予報の湿度は9月も75%のまま。それでも喉が乾くのは、空気1立方メートルに入っている水が19グラムから16グラムへ減るからです。
リンク先は、どちらも広告を含むページです。
次に読む記事
- 冬の部屋干しが乾かない|除湿機の方式と浴室乾燥は干す部屋の温度で選ぶ
冬の部屋干しは、干す部屋の温度で道具が決まります。暖房の部屋なら乾くかわりに水が窓へ移り、寒い部屋ではコンプレッサー式の除湿機が霜で止まります。浴室乾燥と除湿機の電気代も1回ぶんで比べます。 - ホットカーペットの電気代は3畳で1時間約10円|面切り替えと安全な使い方
ホットカーペットの電気代は、3畳を目盛り3で使うと1時間約10円です。表示のワット数の半分ほどで計算します。畳数と面切り替え、下に敷く断熱シートで下げる方法と、寝ない・物を置かない・折らない注意まで。 - 加湿器の手入れ|浄水器の水より水道水、方式ごとの掃除の頻度
加湿器のタンクには、浄水器の水ではなく水道水を入れます。塩素が残っているので、タンクの中で菌が増えにくいからです。水を毎日替える理由、方式ごとの掃除の頻度、白い粉の正体とクエン酸の使い方まで。